古代ローマ人は豊富な果実をつぶしてその果汁を好んで飲んでいたそうです。

葡萄も例外にもれず皮をむかずに果実丸ごとつぶし、その葡萄の果汁を飲むために陶器のかめにいれて放置し、数日後そのかめに残っていた果汁を飲んだところおいしいアルコール飲料に化けていたというわけです。それは葡萄の皮に付着している葡萄球菌が葡萄の果汁に含まれる果糖を発酵させておいしい葡萄酒に変えたわけです。

現在わかっている世界最古のワインは2017年にジョージアで発掘された紀元前6000年頃の遺跡にワイン醸造の痕跡があったとされています。ワインをつくっていたかどうかは現代の科学では比較的容易に分析可能だそうで、実際には陶器やかめに付着しているワインの成分である酒石酸のDNAを検出する流れになっています。

また余談となりますが歴史書によれば古代ローマ人が夏にのんでいたアルコール類はビールではなく葡萄酒に氷をいれてひやしたものだったそうです。当時すでにビールはありましたが古代ローマ人がビールを飲まなかったのには実は理由がありました。ビールはその当時奴隷の飲み物だったため一般の人々が飲むことがなかったそうです。